旅の記録と記憶、

日本国内、東西南北、処々方々を巡る、

四国地方・高知県;土佐の安芸 「三菱の祖・岩崎弥太郎」


 四国地方高知県;土佐の安芸 「三菱の祖・岩崎弥太郎」  、









安芸市井ノ口にある岩崎弥太郎の像と生家 (Wik)



 


「日本一周の旅の記録」へリンクします
  

江戸末期の安芸の著名人に、NHK大河『龍馬伝』でお馴染みだった「岩崎弥太郎」がいる。 三菱財閥の創始者である。

身分制度(後述)の激しい土佐国の「地下浪人」の子として生まれている。

地下浪人とは、無禄の藩士であり、収入を得るために自ら商売をしたり、力仕事をしなくてはならなかった。即ち、正規の土佐藩士たちから蔑まれ、常にいじめられる存在だった。家の事情を知る弥太郎は、幼少の時分より勉学に励み、幕末時に坂本龍馬後藤象二郎の知遇を得る。


『 後日 英名ヲ天下ニ轟カサザレバ 
再ビ帰リテ此ノ山二登ラジ
 』



山とは弥太郎生家(保存邸宅)の近く、妙見山の星神社のことである。

1873年に現在の大阪市土佐藩蔵屋敷(土佐稲荷神社付近)に「三菱商会(後の郵便汽船三菱会社)」を設立、海運業を経営する。

この時に、三菱の商標(三菱マーク)が定められたそうで、見慣れたこの三菱マークは、岩崎家の紋である三蓋菱(三層にかさなった菱形を側面から見た形)と土佐藩主山内家の三葉柏(柏の葉三枚を図案化したもの)の紋を組み合わせたものだと云われている。 

台湾出兵西南戦争の頃は軍事物資の運搬を独占し、莫大な利益を上げて三菱は急成長する。 国内船舶の7割を押さえ海運業を独占した時期もありその後、日本郵船となり三菱財閥の源流を創る。



岩崎弥太郎は元々、海援隊員(坂本龍馬が中心となり結成した貿易結社)でもあって海運業に力を入れ、「東洋の海上王」と呼ばれるまでに発展する。

海援隊」を創った坂本龍馬は、幕末の政局急変の時期、主役には躍り出ず脇役で通した。彼は政治家より、海外貿易などを通した経済人が望みだっらしく、長崎時代は、かのトーマス・グラバー氏(英国商人・グラバー商会を設立)に強く影響を受けていたという。


グラバーは1881年(明治14年)、官営事業払い下げで三菱の岩崎弥太郎高島炭鉱(グラバー経営)を譲るが、三菱財閥の相談役としても活躍し、岩崎に勧めて後の麒麟麦酒(現・キリンホールディングス)の基礎をも築いている。 

岩崎弥太郎はグラバーの思いに従い、坂本龍馬の意思をも継いだのかもしれない、明治18年(1885年)、52歳の若さで亡くなっている。なお弥太郎の娘婿から加藤高明及び幣原喜重郎の2人の内閣総理大臣を輩出している。




安芸の市街を抜け、阪神タイガースのキャンプで知られる「安芸ドーム」をを右にみながら、夕刻迫った土佐街道を行く。 「土佐くろしお鉄道」と並行し、芸西村夜須町等を後にしながら「物部川」を渡って南国市に来た。

ところで本日は、未だ宿泊の場所を決めていない、どうすべきか思案しながら、先ず近くの温泉地の有無を確かめた。スタンドのオニイサンに聞いたところ「ながしま温泉」が近くに在るとのこと。 

R55より北方、後免駅の近くらしい、電話番号よりカーナビを頼って目的地へ向かった。
市街地より離れ、田園地帯も混在する静かな住宅地の離れたところに、一際大きな建物が「ながしま温泉」であった。 

新装したばかりの和式のゆったりした館内であり、浴室、湯船、露天風呂とも石を基調とした造りとなっている。湯に浸かり、道中の緊張した体を解す、このリラックスした気分は変えがたい。


泉質がナトリウム・塩化物温泉の天然温泉というところも良い。

休憩は畳みの大広間で食事を摂りながら過ごす、今日一日の状況をメモに取りながら。
休泊は、田園路上の車泊としたが、側溝の水路の水音が些か気になったので、少々移動し、今度は蛙の声を子守唄に眠りに就いた。


次回は、土佐の国司・「紀貫之

「日本の世界遺産の旅の記録」へリンクします
 






【小生の主な旅のリンク集】

《日本周遊紀行・投稿ブログ》
seesaaブログ    fc2ブログ    gooブログ    googleブログ

《旅の紀行・記録集》
「旅行履歴」
日本周遊紀行「東日本編」   日本周遊紀行「西日本編」   日本周遊紀行 (こちらは別URLです)  日本温泉紀行 

【日本の世界遺産紀行】   北海道・知床   白神山地    紀伊山地の霊場と参詣道   安芸の宮島・厳島神社   石見銀山遺跡とその文化的景観   奥州・平泉   大日光紀行と世界遺産の2社1寺群   

東北紀行2010(内陸部)    ハワイ旅行2007   沖縄旅行2008   東北紀行2010   北海道道北旅行   北海道旅行2005   南紀旅行2002   日光讃歌



【山行記】

《山の紀行・記録集》
「山行履歴」   「立山・剣岳(1971年)」   白馬連峰登頂記(2004・8月)   八ヶ岳(1966年)   南ア・北岳(1969年)   南ア・仙丈ヶ岳(1976年)   南アルプス・鳳凰三山   北ア・槍-穂高(1968年)   谷川岳(1967年)   尾瀬紀行(1973年)   日光の山々   大菩薩峠紀行(1970年)   丹沢山(1969年)   西丹沢・大室山(1969年)   八ヶ岳越年登山(1969年)   奥秩父・金峰山(1972年)   西丹沢・檜洞丸(1970年)   丹沢、山迷記(1970年)   上高地・明神(2008年)

《山のエッセイ》
「山旅の記」   「山の歌」   「上高地雑感」   「上越国境・谷川岳」   「丹沢山塊」   「大菩薩峠」   「日光の自然」