旅の記録と記憶、

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新・日本紀行(114)松浦 「松浦党と渡辺綱」 


九州地方の皆さん、此の度の大震災に謹んでお見舞い申し上げます。
(この記事は震災以前のものです)





  新・日本紀行(114)松浦 「松浦党渡辺綱」  





https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Kuniyoshi_Imperial_Bodyguard_Fighting_with_a_Demon.jpg
渡辺綱(Wik)




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松浦党の発祥については先に記したが平安中期の990年頃、摂津・渡辺の庄にあった源頼光肥前守に任ぜられ、渡辺綱(わたなべのつな:平安中期の武将。
源氏の一族で本名は源綱。坂田公時、平貞道、卜部季武とならんで源頼光の四天王と称された:大江山酒呑童子退治で有名)を同伴して松浦郡に下向したからと云われる。
任期を終えて帰洛したが、綱はこの間に男子・子供をもうける。

又、後に渡辺綱の孫に当る松浦 久が「宇野御厨」の検校(けんぎょう:荘、社寺の総務を監督する役)となって「今福」に着任している。 
これらが松浦市の北部沿岸に松浦家・松浦党が発祥した直接的な事由であり、祖先が肥前国と関係をもった最初でもあるという。


渡辺氏は、摂津国渡辺津(大阪市中央区)を本拠地とする渡辺党と呼ばれる武士団を形成し、瀬戸内海の水運に関与し、瀬戸内海の水軍の棟梁的存在になると共に皇室領の大江御厨(摂津の御厨)をも統轄していた。 

彼らは摂津国住吉の浜(住之江の浜、大阪湾)を拠点に、海運、海上交通を通じて日本全国に散らばり、各地に渡辺氏の支族を残したとされる。
肥前国の松浦氏もその庶氏の一人で、松浦党をはじめ山代氏に連なる松浦氏族を輩出している。

尚、綱は「源満仲」(みなもと の みつなか; 清和源氏の祖、源氏の祖)の子・頼光に仕えて四天王の一人と称せられたが、この綱の子が摂津・渡辺党となってこの地に展開した。 

渡辺氏は元々は嵯峨源氏嵯峨天皇の一族、嵯峨源氏)の一党で、その一人源綱(みなもとの・つな)が、清和源氏源満仲の娘婿の養子となり、母方の里の摂津国渡辺(現・大阪市中央区)に住み、同地を本拠地として渡辺綱(渡辺源氏)と名のり渡辺氏の祖となったと云われている。

その兄弟達は、名乗りが一字であることが特徴的で、綱の子達から多くの諸流渡辺氏が生まれた。九州の水軍・松浦党の祖の松浦久(渡辺久、源久、渡辺綱の孫)もまた渡辺氏の出である。


尚、源 満仲(清和源氏3代目)は平安中期の武将で、清和源氏・六孫王経基(清和源氏2代目、清和天皇の第6皇子の子、皇族に籍していたとき「六孫王」と名乗ったとされる)の子で、「多田」を号したことから多田 満仲(ただ の みつなか)とも呼ばれる。

その子達が各地へ散って、その地の源氏の名を起こす。長子の源頼光摂津源氏、次男の源頼親大和源氏、三男の源頼信河内源氏のそれぞれの祖となっている。 
又、清和天皇を祖とする清和源氏は、主に源 満仲から武家源氏の道を歩んだとされ、その代表に河内源氏源頼朝がいる。


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