旅の記録と記憶、

日本国内、東西南北、処々方々を巡る、

平成日本紀行(141)川内 「新田神社」

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九州地方の皆さん、此の度の大震災に謹んでお見舞い申し上げます。
(この記事は震災以前のものです)





 平成日本紀行(141)川内 「新田神社」   、





写真:薩摩一宮「新田神社」



隣接する「可愛陵墓」





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新田神社の祭神・瓊瓊杵命(ニニギノミコト)とは・・?

夕べは久しくマイカーでの泊まりとなった。 
波の音を子守唄代わりに、「道の駅・阿久根」での休泊であった。

駅は阿久根の国道3号線沿いにあり、周辺は阿久根県立自然公園、東シナ海を望めるすばらしい景観の場所である。 
夜明け前の三時半頃小用で表へ出ると煌く星が輝いていて、今日も好天気を約束してくれる。何処へ向かうのであろうか、ざわつく渚の黒い彼方に仄かな(ほのかな)光が航行している。 
時折、道端をガ-ッと音を発てて大型車が走り抜け、フッと現実に戻される。
一寝入りして6時前には目が覚めてしまった、清々しい海の香を嗅ぎながら出発である。
東シナ海の波濤と西方の砂浜の渚が対照的で良い、砂浜海岸から外れると今度は岩場の海岸連続する。
この一角に「人形岩」という奇岩もあり、夕日が東シナ海に落ちていく時のシルエットは,絶景といわれている。海はあくまでも透明なエメラルド色で、実に綺麗であった。



内陸に向かって間もなく川内である。 

川内と書いてカワウチではなく“センダイ”と読むらしい。 
ニニギノミコト」がこの地に皇居を定めるにあたり、千の台を作るように命じたという故事によるとされているとか。 

古来は「仙台」、「千代」とも書かれたらしいが、現在の「川内」が定着したのは江戸時代中期以降であり、これは川内川と高城川の内側という意味でもあるという。



その川内市街は未だ朝靄の中にあった。
肥薩おれんじ鉄道の「上川内駅」の辺りは川内川と高城川が合流する扇状地に開けた地柄であり、ここに、こんもりと新緑に囲まれた亀山或いは亀神山という小山があり、こちらには「新田神社」という立派な社が鎮座していた。 

通常、我々東国の人々は鎌倉時代末期、北条・鎌倉幕府を終焉に追い込んだ上野国(こうずけのくに:上州)の御家人新田義貞(にった よしさだ)を思い起こすのであるが、特にこの新田氏とは関係はなさそうで、こちらは新田:しんでんの意味らしく、更に由緒と歴史が刻まれた神社であった。 


新田神社神亀山(高さ70m)の山頂にあって、「ニニギノミコト」を祀る神社であり、嘗て、薩摩国一の宮として呼ばれた風格を今でも充分に残している。 
そして隣接して「可愛山陵」(えのさんりょう)という「神代三山陵」の一つが祀られている。

この山稜は明治7年7月にニニギノミコトの墳墓と指定され、宮内庁直轄で管理されているという。 
普通、山稜というと山の稜線、山脈を表し、単に稜というと丘を表す。
ここでの「」又は山稜は古くは「ミサザキ」(古代・平安期の頃まで)といって、天皇・皇后・皇太后太皇太后などの墓所を意味する。 



社殿に上る石段の途中には御神木のクスなど緑が茂り、緑陰をつくっている。
新田神社は、今の平成・今上天皇と美智子妃殿下が結婚の報告と御参りのために訪れた神社でもあり、時の慶応大学学長であった今上天皇の皇太子時代の師父である小泉信三氏が日本の歴史を学び、訪問を勧めたという神社山稜でもある。 

その御蔭と御利益で美智子妃殿下は2人の男子と1人の女子を授かったとされている。 
今の皇太子と雅子妃殿下が二人で参拝されたら、もしかしたら後継の男子が授かり、幸せが起こるかも知れない・・?!。

日本はそういう神道の歴史と伝統を内包している国なのである。
新田神社や山稜は、日本の最初の神である「ニニギノミコト」を祭ってあり、お妃(キサキ)はコノハナサクヤ姫(富士山の霊神、浅間神社の主神)で、富士山の頂上に祭られている女神でもある。


次回、ニニギノミコト

  
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