32、 安芸の宮島・厳島神社の大鳥居の謎・秘密(5)
大鳥居の継ぎ目の部分
出典; http://www.miyajima-wch.jp/jp/itsukushima/column.html
笠木の両端にある太陽と月、
大鳥居の困ったエピソード、
前回に大鳥居の柱の構造について記載したが、其の大鳥居の主柱は、腐りにくく虫に強いクスノキが使われています。
此れは昭和25年、水に浸かる柱の下部を新しいクスノキに取り替えるときのことでした。
余りににも木が太く巨大なため、載せた貨物船がトンネル入口で立ち往生し、木をぎりぎりまで削ってやっと運んだということがあったそうです。
また、次代の修繕のときには宮島産のクスノキを使うことを望みながら、その都度、住人たちによって植林されているそうです。
ところで、観光客に絶対にやめてほしいのが、大鳥居の柱などのすき間に10円玉や5円玉などの硬貨を、写真のようにクスノキの割れ目の間に差し込む行為であります。
間違ったエピソードや俗信が伝わり、禁止されているにもかかわらず、やる人が後を絶他ないと云われます。
この行為は世界遺産を傷つける行為と一緒であり、又、大鳥居の老朽化が進む恐れがあり、補修しながら維持していることを考えてほしいですね。
厳島神社の大鳥居の歴史、月と太陽、
現在の大鳥居は、1875年(明治8年)に再建されたといわれ、この大鳥居は当初は平安時代に造られ、現在までで「八回」も造り替えているそうです。
大鳥居の「笠木(大棟)」の両端には「月」と「太陽」の紋章が描かれているのです。
此のことは、実は厳島神社の大鳥居の「笠木(大棟)」の両端には、社殿からみて右側(東側)には、「太陽の紋章」が刻まれています。
また、逆に、西側(左側)には、「月の紋章」があります。
これは、陰陽道の理(ことわり、道理、秩序、理法、)を指し示すとも云われているのです。
陰陽道とは・・?
陰陽道とは簡単に説明すると、「古代中国の陰陽五行説の思想に基づいて天文・暦法・占術などの学問的なものから天人相関思想による祥瑞災異などの思想、あるいは呪術・祭祀に至るまでを包括したもので、日本において体系化されたもの。」と定義することができます。
即ち、森羅万象の理に則り、方角や月・太陽・星などの位置などを総合的にみて、物事の良し悪しを見極めるために用いられたもので、中国大陸から日本へ伝来した思想の1つです。
この陰陽道は、名前こそは違いつつも、現代でも占いと言う形で伝承が残っています。
厳島神社にこの月と太陽の紋章が刻まれている理由は、以下のようになります。
古来から、北東は「鬼門」であるといわれてきました。
そして、陰陽道に則り、この鬼門を封じる場合、大鳥居の東側(社殿からみて右側)に、太陽の紋を刻むことで、鬼門の効力を封じていると謂われています。
「陰陽道の理」を用いた場合、太陽があれば、月が対極の位置に存在しますので、対極に「月」を刻んだものだと思われます。
次回は、「厳島神社の大鳥居の謎・秘密(6)」
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