新・日本紀行(101)防府 「周防の国衙(国府、政庁)」
新・日本紀行(101)防府 「周防の国衙(国府、政庁)」 、
周防国分寺「山門」、奥が本堂
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防府は、古代・「周防国衙跡」を中心とした町の区割りが、今も残る・・、
国道2号線のすぐ横を山陽道が走っていて、そこの徳山東I・Cから高速道へ乗っかる。
走り始まって間もなく昨夜の寝不足の影響が早速現れた。
防府の北側を通っいる佐波川が見渡せるところ、佐波川S・Aにて朝の軽食を摂りながらチョッと仮眠をする。
一級河川の佐波川に沿って高速道、主要国道が走っていて、その南側に防府の市街が広がっている。
佐波川(さばがわ)は、昔、河口で大漁に「鯖」が獲れたことから佐波川という名前になったという。
名残として佐波川の北、山口市との境峠に「鯖山峠」があり、やや上流地域の徳地町に「鯖河内」などという地名もある。
一級河川佐波川は、下流に県内最大の扇状地・防府平野を形成し、防府の町の基礎・土台を形造っている。
奈良時代になると律令国家としての機能が整備され、国境が決まり、一国一郡一里(郷)の行政区分が出来上がる。それにともなって、各国を治める行政機関として置かれたのが国府であり、この防府にも周防地方の中心として「周防国衙」が置かれてる。
同時に都と地方を結ぶ道が整備され、山陽道が造られ、行政の中心となる国府(国衙・こくが、ともいう)が完成する。
合わせて官寺・周防国分寺が建立されている。
佐波川とJR防府駅との間には、各所で国衙の史跡(史跡公園)、周防・国分寺といった永い歴史の足跡が残る。
国分寺とは、奈良期、聖武天皇が国状不安を鎮撫するために各国に国分尼寺(こくぶんにじ、)とともに建立を命じた寺院である。
各国には国分寺と国分尼寺が一つずつ国府のそばに置かれたとされ、多くの場合、国庁とともにその国の最大の建築物であった。
その頂点にあったのが大和国の東大寺、法華寺で総国分寺、総国分尼寺とされ、全国の国分寺、国分尼寺の総本山と位置づけられた。
現在、多くの官寺としての国分寺は史跡として残っていても、往時の建造物として現存するのは少ないが、「周防国分寺」は創建当初の様子で境内には今も往時の伽藍を残すきわめて珍しい例として知られている。
山門(仁王門)をはじめ、二重構造の大屋根・本堂大伽藍は、総本山・奈良東大寺に類似すると言われる。
現存する国分寺としては、創建当時の伽藍にかなり同一又は、類似した位置や建物に近いものとされている。
仁王門は400年以上も経過したもので、1596(文禄5)年に毛利輝元が再建したものとされ、両脇には、室町時代の仁王像が安置されており、ともに県の文化財に指定されている。
本堂である金堂は、二層入母屋造りになっており、1779(安永8)年に毛利重就(しげたか:周防八代藩主、後の長州八代藩主)によって再建されたもので、これも国の重要文化財に指定されている。
平成の大修理を終えた金堂には、重要文化財となる本尊薬師如来をはじめ、50余体の仏像が安置されていて、さながら「曼陀羅」の世界観を形作っているともいう。
又、国分寺と周防総社(佐波神社)の南、東西を貫く古山陽道に接して建物こそ現存しないが国衙跡が残り、この地が古代の都の中心であったことが観えてくる。
証拠に、防府の町並みが国府跡を中心に、碁盤の目のような条里制の区画であることも伺える。
他の国府跡が多くは不明となっている中で、ほぼ往時の姿で残っている理由としては、周防国は奈良・東大寺の知行国となったために、東大寺から役人(目代僧)が派遣され政治を執り、近世になっても東大寺領として治外法権的地位を維持できたからともいう。
今、平成9年から平成16年までの8年間に及んだ金堂の「平成大修理」を終え、周防国分寺の歴史が再び歩み始めたという。
この近辺には、毛利庭園や防府天満宮といった毛利氏ゆかりの歴史的名所が点在する。
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